氷に対する飽和水蒸気量とは?

2024.1.5

 

備忘のため、前職在籍時にOneNoteに記載していたメモを転記。

 

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氷に対する飽和水蒸気量とは?

氷に対する飽和水蒸気量とは?

飽和水蒸気量には「水に対する飽和水蒸気量」と「氷に対する飽和水蒸気量」があり両者は違うとのことです。①これについて、全くイメージがわかないので、どなたかご教示いただきたくお願いいたします。②2つの飽和水蒸気量の違いのため、氷は飽和していて、水に対しては飽和していないとはどういうことでしょうか?③水に対する飽和水蒸気量とは、「その温度で含むことができる最大の水蒸気量」と理解していますが間違っていますか?すると、氷に対する飽和水蒸気量とは「その温度で含むことができる最大の何?」なのでしょうか?私は何がわからないかもわからず、どのように質問すればよいかも困ってしまうくらいわかないため、ちんぷんかんぷんな文章になってしまっていたらすみません。どうぞよろしくお願いいたします。


 

Answer:

雲が氷点下の温度になっても、雲を構成している水滴がすぐに氷になるわけではありません。

小さい粒で安定しているため、氷点下でも水のままで存在します。これを過冷却の水といいます。


さらに温度が下がり、-15℃くらいになると、雲粒の中に氷の粒が現れてきます。すると、同じ雲の中に、水滴と氷晶の雲粒が共存する状態ができます。この場合、氷の粒の周りと、水の粒の周りで、それぞれ飽和水蒸気圧が存在します。

氷晶のすぐ周りは飽和水蒸気圧が少し低く、水滴のすぐ周りは飽和水蒸気圧が少し高い状態になります。

すると、氷の近くにある水蒸気は、水蒸気で存在できず氷りにくっつきはじめます。一方、氷が水蒸気を集めた分、水滴の周りの方は水蒸気圧が下がるため、水滴が水蒸気を放出し始めます。そのため、短時間で氷の粒は成長し、水滴はやせて、最後は消滅します。

結果として、いくつかの氷の粒が、大きく成長し、これが融けて降ってくれば雨、融けずに降ってくれば雪やヒョウになります。

これが、氷晶雨とか冷たい雨とよばれる雨のでき方です。このときに水の蒸気圧と氷の水蒸気圧の差が重要になるのです。